なんとなく運動前ってストレッチしますよね。
恐らく、小学校の頃から「運動前には必ずストレッチをしよう」と教えられてきたのではないでしょうか。実際、ストレッチをした方が良いという考えを持っている方は多いと思います。
しかし最近の研究結果では、運動前にストレッチをすることは逆効果どころか危険ということが判明してきました。
本記事では『なぜ運動前にストレッチをすると逆効果なのか』や『ストレッチの種類』についてまとめています。
本記事の内容
- 運動前のストレッチが逆効果の理由
- 運動前には何もしない方がいいのか?
結論ですが、ストレッチには静的ストレッチと動的ストレッチがあり、普段やっているのは静的ストレッチです。
この静的ストレッチをした後に、いきなり動くのがとても危険です。
本記事の結論
【静的ストレッチの効果】
- リラックス効果
- 筋肉の柔軟性を高め、身体の可動域を広げる
- 血行循環をスムーズにして、疲労回復効果
【動的ストレッチの効果】
- メインの運動でのパフォーマンスアップに
- 怪我の予防
- 緊張を和らげる効果
【結論】
“運動直前”の静的ストレッチは逆効果。静的ストレッチ→動的ストレッチ→運動の順番で行うことが重要。
※時間が無い場合は、動的ストレッチのみを行う
運動前にする静的ストレッチは逆効果
まず最初に、多くの人が運動前にやっているものは静的ストレッチと呼ばれるものです。
静的ストレッチとは、反動をつけないでじっくりと筋肉を伸ばしたまま数十秒静止するもので、おそらく皆さんが運動前にやっているアキレス腱伸ばしなどのストレッチのことです。
この静的ストレッチの有害説はまだ知らない方も多いと思います。それは学校の体育の教師を含め、プロの方でも完全には知られてない現実があるからです。
そもそも何故、運動前にストレッチをした方が良いという常識があるかと言うと、
- ケガの予防になる
- 運動のパフォーマンスが上がる
というように言われていたからです。
しかし、2000年に発表されたDr. Herbert Popeさんの論文で静的ストレッチは良くないという発表がありました。
これをきっかけに、静的ストレッチの効果について一気に研究が進みました。
そして色々な研究の結果、「静的ストレッチを行うと最大筋力のパフォーマンスは低下する」という結論が出ました。
では何故静的ストレッチは良くないかを解説します。
静的ストレッチの効果がかえって悪影響になる
静的ストレッチには以下の効果があります。
- リラックス効果
- 筋肉の柔軟性を高め、身体の可動域を広げる
- 血行循環をスムーズにして、疲労回復効果
この3点が大きな効果です。
【リラックス効果】
一見するとリラックス効果なので良いと思われますが、運動前に静的ストレッチをしてしまうと運動直前なのにリラックスしすぎてしてしまうのです。
運動するためのカラダ(筋肉)が十分な準備状態にできていないという状態になってしまうのです。
【筋肉の柔軟性を高め、身体の可動域を広げる】
一見、身体の可動域を広げるというのは良い効果かと思われるかもしれませんが、実は逆効果になってしまう場合があります。
例えば、ランニングの前に股関節の静的ストレッチを行った場合、股関節の可動域が広がります。
これは逆に、必要最低限な範囲をこえて足が開きやすくなってしまうことで不安定な状態になってしまうのです。
不安定になってしまった足を無理に安定させるために足の筋肉に無駄に力が入ってしまうのです。
【血行循環をスムーズにして、疲労回復効果】
静的ストレッチを行うことで、血行の循環をスムーズにすることができます。それによって、疲労回復効果も期待できます。
上記のように、静的ストレッチは効果的な部分がある反面、運動直前に行うとかえって悪影響になってしまう場合があります。
では「運動前に何もしない方が良いのか」となると、それも違います。
運動前には動的ストレッチ
可能なら静的ストレッチ→動的ストレッチの順番で
先程、運動前の静的ストレッチは良くない理由について解説しました。しかし静的ストレッチも明確な目的があります。
静的ストレッチは完全否定と鵜呑みにしないようにしてください。
重要なのは、静的ストレッチをした直後にいきなり運動することが良くないのです。
では結論はどうするべきかと言うと、
静的ストレッチ→動的ストレッチ→運動→静的ストレッチ
この順番が良いです。
具体的に言うと、
- 静的ストレッチで身体の可動域を広げる
- 運動の事前準備ということ動的ストレッチで筋肉に対して刺激を入れる
- 運動
- 静的ストレッチで身体をリラックスさせる
こんな感じです。
動的ストレッチは、動きながら筋肉をストレッチする方法です。サッカー選手が試合前に行っているブラジル体操などが動的ストレッチになります。
また、ラジオ体操も動的ストレッチの良い例です。ラジオ体操のように、筋肉と関節を同時に動かしながらストレッチします。
動的ストレッチの効果
動的ストレッチの効果は
- メインの運動でのパフォーマンスアップに
- 怪我の予防
- 緊張を和らげる効果
このような感じです。
動的ストレッチは全身の協調性を高めることができ、メインの運動でのパフォーマンスアップに効果的です。
また緊張を和らげる効果もある為、余計な力を使わないで運動に取り組むことができ怪我の予防にもつながります。
これらの効果の為、運動前には動的ストレッチを行うのがベストです。
【時間がない時は動的ストレッチのみ】
本来は、静的ストレッチ→動的ストレッチ が望ましいですが、時間が十分になく中々難しい時もあると思います。
そんな場合は静的ストレッチは省いて、動的ストレッチのみにするのも大丈夫です。
勿論、時間的な余裕があるなら
静的ストレッチ→動的ストレッチ という手順を踏むようにオススメします。その方がより安全に快適な運動が出来ます。
怪我や身体を壊してしまってから後悔してしまうのでは遅いので、少し手間ですが我慢しましょう!
まとめ:運動直前の静的ストレッチはNG
本記事では、「運動前のストレッチは良くない」という内容について詳しく解説しました。
それでは本記事の内容をまとめます。
ポイント
【静的ストレッチの効果】
- リラックス効果
- 筋肉の柔軟性を高め、身体の可動域を広げる
- 血行循環をスムーズにして、疲労回復効果
【動的ストレッチの効果】
- メインの運動でのパフォーマンスアップに
- 怪我の予防
- 緊張を和らげる効果
【結論】
“運動直前”の静的ストレッチは逆効果
静的ストレッチ→動的ストレッチ→運動の順番で行う
※時間が無い場合は、動的ストレッチのみを行う
まだまだ完全に常識として広まっている訳ではありません。
本記事で学んだことを是非、周囲の人達にも伝えてもらえればと思います!
みんなで楽しく健康に快適な運動が出来るように運動前には手間かもしれませんが、出来るだけ静的ストレッチ→動的ストレッチを心がけていきましょう!
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